留学はステータス?という題で読売新聞のウェブサイトに記事が載っていた。
外国の大学に進んだからといってエリートになれるわけでもない。留学してからの本人のがんばり次第だ。
とあった。全く同感である。日本人は西洋に憧れすぎているし、イメージと現実の差は大きい。これは実際に経験をしてみてわかること。海外に住んでいて思うのだが、日本に生まれ育ったということは自分にとって非常に幸運なことだと思う。もちろん時代によっても異なるだろうが、この二、三十年の間に日本で生まれて日本で育った人たちはラッキーである。どうして日本に生まれて幸運なのか。それは誰のおかげかと今の子供たちは考えてみることがあるだろうか。それは今まで日本という土地で暮らしてきた先祖の人々が土台を作り上げてきたからであって、決してこの二、三十年で築き上げられてきたものではないということを覚えておかなくてはいけない。私は子供のころはそんなことは考えたことがなかったが、でもご飯を残すと父親がよく「世界にはご飯が食べられない子供たちがたくさんいて、今この瞬間にも餓死していく人たちがたくさんいるんだよ。ご飯は農家の人たちが一生懸命作ったものだから残さないで食べなさい。」というようなことを教えてくれたのを覚えている。それは自分の息子にもよく教えていることだ。
大学は日本の大学を卒業したが、私には1年間だけ留学の経験がある。だからといって自分がエリートだとは思わない。確かに自分の視野を広げるという意味では留学はとてもよかったし、いわば自分の人生を変える経験であった。中学のころから日本を出て仕事をしてみたいという強い憧れがあった。英語も好きだった。そういう意味では自分には留学は適していたと思う。日本に帰ってからある高校で英語の教師をしていたが、やっぱり日本の外に出て仕事をしたいという夢はあきらめられなかった。
留学で得られた一番貴重な経験はいろいろな国から来た人たちに出会えたこと。友達にはフランス人、ドイツ人、アメリカ人、カンボジア人(かみさんです)、マレーシア人などがいた。ある日、フランス人の友達の誕生日祝いをするからバーに行こうっていうことになった。アメリカ人、フランス人2人、ドイツ人一人と日本人(私)の5人でフランス人一人の友達の誕生日を祝った。そこで自分の国の言葉でハッピーバースデーを歌おうということになった。すると彼らが日本語ではどう歌うの?って聞いてきたので私は「ハッピーバースデーツーユー」と日本語らしくハッピーバースデーを歌うと「それは英語じゃないか」ってつっ込まれた。即興で日本語で歌詞を作って「たんじょーびーおめでとー」と歌った。(笑)最終的にはドイツ語、英語、フランス語そして日本語でハッピーバースデーを歌い、誕生日を祝った。こんなことはなかなかできるものではない。それぞれの国や文化を尊重し、一緒に何かをするということはすばらしいことだと思った。そのときは単にハッピーバースデーを歌っただけだが、違う国からきた人たちと一緒に生活をするということは人生の中で学生のときぐらいにしかできないだろう。
留学をするということ自体が一人歩きしてしまってはいけない。決して留学することはいけないことではないが、留学さえすればエリートという考えは絶対に間違っている。
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